おかげ横丁の和カレーは、SDGsの取り組みの一環として、横丁内で人気の郷土食・伊勢うどんのタレを作る工程で生じる「だし」を活用し、4種の削り節と昆布がブレンドされた出汁薫る和風テイストに仕上げました。
具材は国産牛すじ肉をふんだんに使用！牛すじ肉カレーを感じつつ後味として出汁の余韻が楽しめます。
郷土食・伊勢うどんの香りや味わいを活かして作ったカレーを通じて、伊勢の文化を感じていただければ幸いです。

伊勢うどんの店「ふくすけ」は、年間約 30 万人が訪れるおかげ横丁きっての人気店です。たまり醬油で作る真っ黒な"たれ"は、 伊勢うどんの味を左右する要。そのためふくすけでは、伊勢うどんの「たれ」を横丁にあるたれ厨房で手作りしています。
ふくすけのたれは、椎茸や４種類の削り節（むろあじ、さば、そうだかつお、かつお）などの出汁の材料を鍋にかけ、たまり醬油などで味つけをした後、綿布でこして作ります。
1窯で1回に作るたれの量は、伊勢うどん1200杯分。出汁に使う材料は約3キロで、煮立てた後に水切りすると、8〜10キロになります。これまでは、このすべてを廃棄していました。
いわゆる「出がらし」ではありますが、香り良く味わい深いたれ作りに欠かせない出汁をとるために、その素材はすべて国産のものを使用しています。また、たれ作りの工程で味が染み込み、そのままご飯の上にかけても美味しく食べられます。

今回、この「出がらし」の活用はできないかと考えた時に、家庭で食べた時もほっと一息つけるようなメニューにしたいと考えました。家庭料理の定番であるカレーに出汁の風味を足すことで、横丁らしい一品となりました。出汁が効いているので、ごはんにかけるだけではなく、カレーうどんやカレーそばとしてもなじみが良くおいしいカレーです。